ご挨拶

第20回大阪病院学会
学会長 木野 昌也

 数々の天変地異に見舞われた平成の時代、日本をはじめ世界中の経済が混迷し経済格差が広がり、貧困化や人種問題等、様々な社会問題が顕在化しています。そのような中、本年の5月新天皇の即位とともに新しい令和の時代が始まりました。新しい御代が日本の輝かしい時代への幕開けとなるとともに、世界中の人々が令和の言葉通り、beautiful harmonyを実現する時代となることを願わずにはおれません。
 本学会のテーマは、「大転換期の日本と医療~輝かしい未来をめざして~」と題して開催させていただくこととなりました。世界に類を見ない超超高齢時代に入った日本。私たちは人生100年時代を謳歌することができるのか、世界中の人々が私たちの取り組みを注視しています。今まさにAI時代と呼ばれていますが、人とコンピュータが調和をもってどう発展していけば良いのか、哲学的な問題も解決していかなければなりません。そこで、今回の学会の特別講演として、東洋大学情報連携学部長、東京大学名誉教授の坂村健先生にお越しいただくことになりました。先生はインターネットのように誰でも自由に使える開かれた社会をめざしていち早く活動を開始され、オープンな組み込みシステム開発環境(TRON)の確立と、今社会の潮流となったIoT (Internet of things)の考え方を世界で最初に提示された方です。2015年5月には、情報通信技術に貢献した功績により国際電気通信連合(ITU)150周年記念賞を受賞されています。これから始まる未来の生活をどう実現していけば良いのか、ワクワクするようなお話を聴いていただけることと思います。
 一方、私たち医療人はそのような時代に、何をなすべきなのか。日本の病院を代表する先生方にお集まりいただきました。相澤孝夫先生、神野正博先生、鎌田一先生と実行委員長の田中肇先生によるシンポジウムで皆さんとともに考えたいと思います。
 折しも政府は、「令和」新時代:「Society 5.0」への挑戦と題して、経済財政運営と改革の基本方針2019を定めました。狩猟時代(Society 1.0)に始まり、農耕社会、工業社会、情報社会と発展してきた社会は、これからのIoTで全ての人とモノが繋がり、様々な知識や情報が共有される社会(Society 5.0)となります。医療は医師や看護師、薬剤師や栄養士、その他多くの専門職がチームとなって行う協働作業です。そこには互いを理解し尊敬する環境が不可欠です。病院学会はそのような日常のチーム医療の象徴とも言えます。参加される皆様が日頃の実力を発揮され、本学会が実り多きものとなることを祈念致しております。皆様のご協力ご尽力に改めて感謝を申し上げます。